ゴールデンウィーク明けの3日間は京都にある我が宿「ゲストハウスひつじ庵」をお休みさせてもらって高野山へ一泊二日の観光に行ってきました。
当宿に来る欧米系のゲストさんが、当宿の後に高野山に向かったりする人が多いので、一度自分で行っておけば、ちょっとは案内や豆情報などをゲストさんに話せることができるかなぁという思いがありました。
前日の5月7日、全員チェックアウトなので、普段なかなか洗えないものや掃除できないところなどを頑張ってやったり、荷物預けのピックアップの時にゲストさんとおしゃべりしたりしてたら、全然 終わらず。夕方からは歯医者、床屋、買い物に。
そのまま、オープン前まで何度か行っていた烏丸五条にあるサントレスというスペインバルに行って食事。宿に戻ってまだやることがあるのにもかかわらず寝落ち。
■2014年5月8日 京都から高野山へ
夜中、目が覚め残りの掃除をして再び寝てしまう。朝早く出ようかと思っていたのになんだかんだで9時過ぎに。
「ゲストハウスひつじ庵」を出発、歩いて阪急大宮へ。
天下茶屋まで行って、南海電鉄窓口で高野山二日間パスを購入。
このパスは購入駅からの往復電車代、高野山内のバス、高野山のお寺などの拝観料割引、指定店のおみやげ割引がついているもの。
(もし京都から日帰りでいくなら阪急で高野山1dayチケットが売ってます)
道中、車窓からの眺めは「どこも沿線の街って似たような風景だなぁ」と退屈でしたが、南海電鉄に乗り換えたあたりからいい感じの風景に。
極楽橋駅でケーブルカーに乗り換え高野山駅に。
今回は以前から気になってて行きたかった「高野山ゲストハウスkokuu」さんに泊まることになっている。
高野山から奥ノ院行きのバスに乗る。バス停から徒歩すぐのところ。
予定は11時頃到着と連絡していたが、思いっきり遅れて13:30。(kokuuさんに悪いので、荷物預けがある場合はちゃんと事前連絡いれて早めに行きましょう…)
夫婦?で運営されていて奥さんが応対。
高野山を行先に決めたのは三日前、こちらを予約したのは前日。いつも観光に行くときは、ほとんど事前に情報を調べないで行く。そんなほぼ真っ白な状態だったが、チェックインの時に地図を使って詳細にわかりやすく説明してくれた。おそらく過去数百人に同じ案内をしていることだろうが、嫌な顔せず丁寧で分かりやすい説明でありがたかった。
お墓などがあるエリアは、今日ナイトツアーがあるらしいのと、毎朝 弘法大師の為のお食事の儀式(朝食を作ってお供えをする)があるということで、このお昼からは、町の西側の金剛峰寺などを周ることにする。
このゲストハウスkokuuさん、京都のデザイン事務所に設計を依頼して作られたというモダンでおしゃれな建物。白を基調としたおしゃれな内装、建築雑誌に紹介されたりするのもうなずける。
中央に通路を一本、両脇に各部屋や水回りなどコンパクトに配置されシンプルなつくり。
予約した部屋はカプセルと呼ばれる3,500円のお部屋。
カプセルは、上下二段になっていてそれぞれに扉があり内側からロックがかけられる仕組みでプライバシーを確保。すでにシーツや毛布がセットされているのが嬉しい。
荷物を置き、さっそくお出かけ。バスの時間が30分先とのことなので歩いて町の中心部へ。
ランチにオススメという「さんぼう」に向かうが、到着した14:10の時点でクローズ。
仕方がないので同じくオススメしていただいていた濱田屋に行き、イートインで生ごまどうふをいただく。
もちろんお昼にこれだけじゃ足りない、周りにぐっとくるお店がなかったのと時間がないので近くで見つけたコンビニでパンやおにぎり。
高野山、ゲストさんが宿坊に泊まるというのを聞いてイメージしていたのは、もっと人里離れたところにぽつんぽつんと建ってるお寺に泊まると思っていたのだが、意外に町中に「○○院」と名の付くお寺が沢山。玄関先から覗いた印象だが、お寺に泊まるというよりは普通に和風の宿泊施設という印象。
金剛峰寺へ。襖絵や庭など素晴らしい。ショップで、表紙が檜でできている御朱印帳を買うかどうか本気で悩むが買わず。
霊宝館へ。なぜか人が全然いないタイミングで一人で独占してゆっくり眺めることができた。
ライティングがちょうどよい。仏像が素晴らしすぎで、特に快慶作の深沙大将立像。ケレン味のある造形美とポージング。調子に乗って絵葉書を買う。
次に根本大塔と金堂へ。そこから歩いて大門に行きバスに乗り宿へ。
今日のナイトツアーは外国語でのみの催行。ちょっと迷ったが評判がいいとのことなので申し込むことに。1,500円。
ここのkokuuさんは、カレーやカフェメニューなどを提供している。本当は19:00~だが、そうとは知らずにそのカレーを夕食にするつもりで帰ってきてしまっていた。しかし特別に作ってもらえた(良い子は時間を守りましょう…)。友人から伝授されたというルーから手作りのカレー。美味しかったです。
バスに乗り、一の橋口で降り、今日のナイトツアーの集合場所、高野山宿坊 恵光院 へ。
しばらくして点呼を取ったのはノブさんという日本人のお坊さん。この人が今日のガイドさんらしい。流暢で聞き取りやすい英語で安心した。
お客さんは15人くらいだったかな、全員欧米系の外国人。おそらくみんな恵光院に泊まっている人達。
19:15出発で、真っ暗で誰もいない墓地の中を歩いて、ところどころ説明をしながら奥ノ院に向かう。
たまにジョークを交えたり外国人からの説明に答えたり。お地蔵さんの役割、寺の敷地なのに鳥居がある理由や、敵の戦士の霊まで供養塔を立てたりする日本の宗教観などなど。大日如来がコズミックブッダCosmic Buddhaと言っているのがなんかカッコイイ。
三番目の橋の御廟橋からは、弘法大師がいらっしゃる神聖な場所なので写真撮影は厳禁。
そこを渡る直前、木の上にムササビが。ナイトツアーならではの出来事で楽しませてくれる。
橋の手前で合掌。奥ノ院へ進み御廟前で弘法大師の話や真言宗や「色即是空」の話など。
個人的にひとしきり感動したのが御廟の両脇にあった蓮の花の説明。
釈迦の思想というのは本来は言葉では表せない、蓮の花を見よ、と。蓮の花は汚い泥水の中から綺麗な花を咲かせる云々。
そのあたりは知識としては知っていたが、一度 社会に出て色々経験して人に使われるのも人を使うのにも疲れて、一人で事業を始めようと思いゲストハウスをオープンし、とりあえず軌道に乗せた現在の自分の状況下、それも神聖な場所で静かな暗闇の中でお坊さんから聞くソレは、何か自分の心の奥底にスーッと気持ち良く入っていく。非常に価値のあるツアーだったと思った瞬間だった。
再び御供所の前まで行き説明を受け、一端そこでツアーは終了。
途中の分かれ道でお坊さんに一言お礼を言い、集団から離れる。たった一人お墓の間を通って行くが恐ろしい雰囲気は全く感じられない。
宿に帰ると、数人お客さんがラウンジでくつろいでいた。一人はカウンターで女性オーナーさんに人生相談?他の人はipadしたり、本を読んだりくつろいでいた。
体が冷えていたのでシャワーを浴び、その後ラウンジで読書。アートの本もいくつか。自分は山口晃が好きなので、会田誠との対談本などを読んだり、ナガオカケンメイの本を読んだり。
22:30だったかな?消灯の時間でオーナーの二人が帰って行ったタイミングで自分もベッドへ。ノートPCを持ってきていたので、宿の予約処理をしてすぐに就寝。
■2014年5月9日 高野山 早朝散歩
5:20頃起床。昨日コンビニで買っておいたおにぎりとパンを共有ルームで食べ、出発。
昨日ナイトツアーで一人戻ってきたルートと同じ道をたどる。
御供所に6:00am数分前に到着。
しばらくして御供所の扉が開き、かごを担いだお坊さんがササっと御廟に歩き出す。見ている人は同じゲストハウスにいたゲストさんの二人と自分だけ。距離をとり後を追いかける。
燈籠堂の中に入り赤いカーペットのところに回り込み、お経をあげる姿を後ろから眺める。およそ一時間で終わるらしいが、20分ほどで切り上げ、西側から外に出て御廟をお参りし、東側から地下に入り礼拝所??をみる
御廟橋を渡り、織田信長や豊臣家、明智光秀、石田三成、武田信玄の墓などをゆっくりみてまわる。
朝の静けさと鳥のさえずりが気持ちがいい。観光客らしき人はほとんどおらず、朝の散歩をしている人と数人すれ違う程度。
バスに乗り女人堂で降り、またバスに乗り、浪切不動前のバス停で降りる。
徳川家霊台を見るつもりだったのだが(あとでパンフレットに載っている写真と違ったので)おそらく別の建物を勘違い?したようだ。猫と戯れるだけ。
千手院橋まで歩き、バスに乗り奥ノ院前バス停へ。ゲストハウスkokuuに戻る。
昨日居たゲストさん達がちょうど一人ずつチェックアウトしているころだった。
10:00am、オーナーさんと少し会話をして5分前チェックアウト。
バスで千手院廟橋で降り、昨日行けなかった中央食堂さんぼうに行くが、今日は仕出しを作っている日で休業だそうだ。残念。しかも名刺には10:00オープンと書いてあるのに11:00~の間違いだそう、いずれにしても諦め。
お土産を買って、駅へ。
難波までいき、心斎橋あたりでラーメンを食べ、少し用事を済まし京都に帰宅。
「京都ゲストハウスひつじ庵」のオーナーのり による京都→高野山の一泊二日の旅日記 おしまい。
■【2020年9月18日追記】京都ー高野山 直通高速バス運行開始
2020年9月18日から2019年11月30日までの期間ですが、京都と高野山を結ぶ直通バスが運行されます。
京都からですとなんども電車を乗り継がなくてはいけなかったですが、これで楽に行けますね。
一日二往復 2時間40分で行けます。
京都八条口から一挙に奥之院まで。
片道2500円、往復4500円!
詳しくは→こちらのページを参考にしてください
■あわせて読む
→京都タワーサンドKYOTO TOWER SANDOに行ってみた
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住所: 京都市中京区姉小路通小川東入宮木町472-1
オープン: 8:00-11:00,16:00-21:00