■鷹山復興への寄付のお返し
こんにちは、京都ゲストハウスひつじ庵オーナーの のり(@hitsujian)です。
さて、祇園祭が落ち着いた8月初旬あたり、
祇園祭の休山となっている「鷹山」に1万円を寄付させていただきました。
そしてそのお礼の品として御礼状と扇子が送られてきました。
「そんな寄付なんてわざわざ公表しなくてもいいじゃないか?」
「善行をしましたってアピール?うぜぇ…」
とかそんなことは言わないで
この記事は、皆さんも寄付をしてみませんか?というお話です。
最後まで読んでくださいな。
■祇園祭の「鷹山」とは
まずは、祇園祭の「鷹山」とは…どんなものでしょう、ウィキペディアから引用させてもらうと…
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鷹山(たかやま)は、京都の祇園祭に有った山鉾の1つ。現在は休み山である。
現在の京都市中京区三条通室町西入ル衣棚町。応仁の乱以前に起源を持ち、「後祭」で大船鉾の直前を巡行した「鬮取らず」の大規模な曳山だったが、文政9年(1826年)に激しい夕立に遭って懸装品を汚損したことを理由に休山していたところ、元治元年(1864年)の禁門の変による大火で御神体、鉦、一部の懸装品を残して焼失。
(中略)
しかし、2014年の大船鉾の復活にも触発され、2014年に祇園囃子を復活させた。2015年には一般社団法人の保存会が発足し、2016年1月には公益認定を受け、公益財団法人鷹山保存会となった。2015年の祇園祭から粽等の授与や祇園囃子の演奏を復活させ、2017年には残されていた鉦の残骸から成分を分析して、当時と同じ音が出るとする鉦を復活させた。巡行に参加しなくなって200年後の2026年までの復興・巡行参加を目標としてきたが、多くの他の鉾から中古部材の提供が受けられることになったため、予定を前倒しし2021年の巡行参加を目指している。
(鷹山ウィキペディアより)-------------------
簡単にいえば、昔 壊れちゃったので 長い間 祇園祭に参加できてない、しかし2021年の巡行参加に向けて復興を頑張ってますよ~ってことです。
■映画「この世界の片隅に」のスタッフロール観たときの悔しさ
ここで、今回 私が寄付という行動を起こしたきっかけを少し話したいと思います。
「この世界の片隅に」というアニメ映画があります。
元々はこうの史代さんのマンガですが、ジブリ作品にも参加した片渕須直監督により2016年にアニメ映画化されました。
ストーリーを簡単に説明すると、
「終戦間際の広島県 呉に住む女性 すずさんとその周りの人々の日常や悲劇を描いた物語」です。
初めは公開館が少なかったのですが口コミで評判が広がり、公開初週の63の小規模公開から289まで拡大し(ソース)、興業的にも成功を収めました。
この映画、制作過程において一つ注目された点があります。
初期の資金集めとしてクラウドファンディングを利用したということ。
クラウドファンディングとは、何かのアイデアやプロジェクトを持つ発案者や製作者が、あるインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ、共感した人から広く資金を集める方法のこと。
この映画は、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて2015年3月〜5月の期間に支援を募りました。その支援募集時に、私は この情報を得ていました。
当時こうの史代さんの原作漫画は未読でしたし、片渕監督は魔女の宅急便の製作時の監督交代の話で知っていた程度。サイトを見て「1万円でエンドクレジットに名前が載るのかぁ、面白いなぁ…けど映画のチケットとかDVDのお返しとかないのか…うーん」などと迷いに迷っていたら、募集が終了。
そんなこんなで時が経ち、2016年11月 劇場用アニメ映画が公開。京都では公開館がイオンモール桂川でしかやっていなかったため、公開二日目くらいに無理やり時間をつくり、わざわざ電車に乗り映画館へ観に行きました。
映画は予想を超える出来映えで 物語の最期、すずさんが「ありがとう、この世界の片隅にウチを見つけてくれて」のセリフで大泣き…(^_^;)
エンディングは通常のスタッフロールに加え、クラウドファンティング出資者の名前がずらっと並び、その下で作中に登場したリンさんの子供のころのエピソードが描かれてました(またここで大泣き(^_^;))。
そこで思ったのが、こんな素晴らしい映画のエンディングに名前が載るなんて…羨ましい…そして、悔しい…とにかく悔しい。
あの時、クラウドファンディングに迷わず寄付していれば…。
■伝統は何故残るのか?
さて…、
日本において、昔の資料や建物、伝統文化など有形無形のものが残っていることの理由の一つは何だと思いますか?
それは日本全国にあるお寺と神社の存在だと思います。
古いお寺の建築や仏像など、千年以上前のが残っていたりします。鎌倉時代とか戦国時代のちょっとした手紙とかを保管しているのはお寺だったりしますよね。
ここで取り上げたいのは神社に係る神事やお祭り。
お祭りって、元々は神事の一貫だったり、神様に奉納したりするためだったりするわけですが、それを続けるためには、そのお祭りが「意味のあるもの」もしくは「残すべきもの」であるコンセンサスが周りの人の間で育まれないと続けられないですよね。
そしてその行事を行う人、その時の衣装や道具、それを維持・更新するためのお金と技術が必要ですよね。
例えば京都の祇園祭の山鉾巡行というお祭りでいえば…。
巡行が素晴らしい・楽しい
→毎年たくさんの人が集まる
→人が集まると山や鉾で出しているグッズが売れたり周辺のお店や神社が儲かる
→売上で利益が出たり寄付金が集まる
→祭りの時の衣装や道具や山車や飾りつけの更新ができる
→その衣装などを作る技術が継承される
→素晴らしいから祭りを催行する人(参加する人)も途切れない
→曲や踊りなど無形文化も継承される
→毎年祭りが開催できる。
これの繰り返し。
伝わりますかね…(^_^;)
祇園祭に限らず東北のねぶた祭りとか諸々、派手できらびやかなお祭りは 最初からあぁだったわけじゃないわけです。人に見せる(魅せる)為に 大きく魅力的に発展してきたはずです。それを継続していくには単純にお金がかかるわけですよ。
■というわけで「鷹山」の為に寄付しませんか?
で、話を戻して祇園祭の「鷹山」の話。
京都の祇園祭は7月の一か月間、ずっとなんらかの行事や儀式がありますが、鷹山については「後祭」の巡行となる7/24の前夜祭「宵山」あたりで、三条新町辺りのビルの前でグッズ販売や祇園囃子が披露されます。
↑【京都祇園祭】後祭 鷹山のお囃子(2017年7月21日)の動画です。
この復活した祇園囃子の音色を聴くと…、
なんでしょうかね、心が揺さぶられるんですよ。
(動画ではイマイチ伝わらないでしょうけど)
普段自分が通っている京都の町角で、普通の駐車場か何かであるスペースがこの時だけ「ハレ」の空間になっていること、夜の暗くなった町が照明で照らされ、普段この京都の町で暮らしている人が、おそろいの浴衣を着て伝統的な曲を披露している。1000年以上続く伝統的なお祭りを自分と同時代の人が受け継いでいる。一度 失くしたもの(山車や装飾や楽器、それにかかわる人)を復活させようとしている。
よそ者である自分が京都に引っ越してきてビジネスをしている。長いことフリーターだったのにこの京都で生かされている、生きようとしていることと 勝手に重ねるわけですよ。
で、要するに、祇園祭は本当に素晴らしい祭りだと思うんです、そしてそれを残していきたいんですよ。自らお祭りに参加する側にはなれないので、せめてこの好循環の中の「資金」という面で協力したいわけですよ。
もちろん自分なんかがお金出さなくても(たった一万円ですし)、誰かが寄付をするし、復興できるでしょう…ですが「そういうことじゃない」んですよ。
そして「この世界の片隅に」の映画が公開されて素晴らしい映画を観させてもらった時に感じた「この作品に貢献したかった」という悔しい思い。そういうのを 2021年の山鉾巡行参加が成された時に、再び味わいたくなかったわけです(結構個人的な思いですね(^_^;))
寄付というと大仰な感じがしますが、なにも大金を直接寄付するとか、伏見稲荷の何百万円もする鳥居を寄進するべきだというわけでなはく、
私たちが普段 お参りするときにお賽銭を投げ入れるわけですが、あれも寄付なんですよ。お守りやお札を買うのも その利益が神社への寄付となってるわけです。
出来ることから出来る範囲で良いんだと思います。
ですがちょっとだけ奮発して…1万円以上ですと今回のような扇子をもらえたりしますし。また 将来 祇園祭の巡行に再興された山車が巡行に参加する時にどや顔で自慢できますよ。
あぁ、そうそう この寄付が「税額控除」の対象にもなりますし、企業や個人事業主の方もどうぞ(*´Д`)
京都に限らず、他府県の人でも是非是非!
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寄付の詳細などは「公益財団法人鷹山保存会」のサイトへ。
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※一口千円単位にて賜ります。
御芳名を鷹山保存会の芳名録に記載して永久に保存させていただきます。10 口以上の御寄付を賜った方には鷹山復興記念品をご用意し、後日、お渡し致します。
1000 口以上の御寄付を賜った方には、鷹山本体木組み部分に御芳名を記載させていただきます。