■はじめに
2020年2月 新型コロナウィルスの流行で世界が揺れ始めている中、当宿ゲストハウスひつじ庵の予約が真っ白に…。宿で悶々としていても仕方がないので、人気(ひとけ)がすくない熊野古道を歩こうと三日前に思い立ち、実行しました。
2020年2月26日から三泊四日の旅行です。
霊験あらたかな熊野三山をめぐること、日本一長い路線バスに乗る、熊野古道を歩く、温泉に入る、さらに三重県の伊勢大社まで行ってしまおう、そこでコロナウィルス流行鎮静祈願してさらにゲストハウスの研修も兼ねるとという欲張りな旅でした。
伝染病の流行で 旅行が自粛される中、旅をすることで宿への応援になるだろうとの思いもあります。比較的人がいない「山」に行くのは「避暑地」ならぬ「避ウィ地」(ウィルス避け)を狙っています(^^;
ではでは 長くなるので前編と後編、あと宿の紹介はまた別の記事に取り上げることとして、まずこちらでは旅日記前編をお楽しみください。
■2020年2月26日(1日目)京都→湯の峰温泉移動
当初は5:30頃に起きて奈良公園に行って早朝の鹿の写真を撮ろうかと思ってましたが、見事に寝坊。
8:30 ゲストハウスひつじ庵を出発。二年ほど前に風邪をひいたときに買ったマスクが残っていたので、そのまま持ち出す。
出発が遅れたので、今はalways lunchニケ月チャレンジ中だし、朝食を食べていくかと、鰹節丼のBUSHIDOさんへ。削りたての鰹節が載ったどんぶりに玉子(食べ放題)をかけて食べます。旨し。
地下鉄「烏丸御池」駅で非常食として菓子パンを二つ購入。地下鉄で京都駅へ。
京都駅でミスタードーナツをおやつとして購入。
9:46 近鉄急行に乗る(900円)。
乗客はマスクしてる人は6~7割かな。
10:49 奈良の「大和八木」駅到着。
ここから日本一長い路線バスが出ている。
出発時間まであたりをプラプラ。大きなホテルがある、どれだけの需要があるのだろうか。
11:38 「新宮」行のバスに乗る。
乗客は自分入れて三人。
この後 湯の峰温泉まで、ところどころで三人ほどが乗ったり降りたりするだけの乗客数だった。
14:45「五條バスセンター」着。イオンの一階のところでトイレ休憩。
13:04 発。
※この日本一長い路線バス奈良交通のタイムテーブルや料金はこちらを参考に
14:40 「谷瀬の吊り橋」到着。ここで20分間の休憩となる。
実は今回の旅行、一旦 十津川村に宿泊しようかなって一瞬考えていた。昔、泊ってくれたゲストさんがこの十津川村の温泉旅館の話をしてくれたから。しかし、名所であるここの谷瀬の吊り橋が遠いし…などと考えていたら、実はこの路線バスの途中休憩で観光できることが分かったので、一挙に湯の峰温泉に行くことにしたのだ。
この谷瀬の吊り橋…通常利用されている吊り橋としては日本一の長さだそうな(できた当初は…かな?)。観光に来ている人は5人くらいだった。
写真を撮りながら反対側へ。それからUターン。充分楽しめた。
バス停に戻りトイレを済まして15:00 発。
16:07「十津川温泉」着。ここで10分ほど休憩。足湯があったので両手をぐっと中に入れてあったまる。
16:16発。
景色はいいのだが、山道をぐるぐる走り、微妙に気持ち悪くなってきた…。
「ホテル昴」というところで大和八木から乗っていた男性が降り、乗客は自分だけになった。
17:10 「湯の峰温泉」に到着。休憩を挟みつつ五時間半の路線バスの旅だ、景色が変化していたので長さはそれほど感じなかったが、あと一時間乗り続けていたら酔っていたかも。(この後このバスはあと一時間ほど「新宮」まで向かう…。)
バスを降車するとき4150円を支払う。こんな額 路線バスで支払うの初めてじゃないか?
おおおおお。
そうそう温泉地にはこの景色だよ!こういう町の中心に川が流れてて湯気が立ち上っているやつー、これこれ。
川沿いに温泉旅館が立ち並び なんともいい感じ。
これが湯の峰温泉名物「つぼ湯」か。
昔ゲストさんにここの写真見せられて「いつか」と思っていたんだよね。
あとで入りに来るぞ。
「ジェイホッパー熊野湯峰ゲストハウス」に到着。
チェックイン。
宿代と入湯税3500円+150円 支払い。
もと温泉旅館を改装したゲストハウス。ドミトリがあってこの料金で泊まれるのに、温泉を引いた内湯二つ、露天風呂一つあるお宿。凄い。ここのスタッフ毎日 温泉入れるってことか…ええやん。
17:50 再び宿の外に出て、川へ。日が暮れて暗くなってきていた。
温泉卵を茹でることができる場所がある。
そばに「つぼ湯」の受付があり、こちらで申し込み。780円。
このつぼ湯は1グループあたり30分の貸し切り利用となる。ちょうど今さっき別のお客さんが入ったばかりのようで30分後となる。繁忙期とかは2、3時間待ちとかあるようなのでラッキーだ。
あたりをぶらつき時間を潰し、つぼ湯のベンチで待つ。きっちり30分使った女性の親子が出てきた。
18:30 番号札を扉の横にかける(この場所は管理室からカメラで見えている)。
そしてつぼ湯の中へ。おお、面白い構造。
扉を閉め、服を脱いで横の籠に置く。お湯は先ほどのお客さんが少し冷ましてくれたのかな、ちょうどいい熱さ。
湯船の足元は白と黒の玉砂利が敷いてあった。お湯の色が変わると聞いていたがよくわからなかった。でも こういう狭い空間での貸し切り温泉、初めての体験でとっても満足。
18:50頃 外へ。番号札を管理室に返しに行くと、「目の前の公衆浴場もご利用できますよ」と。え?そんなの知らなかった。
試しに中を覗くとご近所さんだろうか10人くらいは言っていた。もう一度服を脱いだり来たりが面倒だったのと早く宿でゆっくりしたかったのでヤメ。
そばの自販機で紙パックのマミーを購入。
宿に戻る。
周辺にほぼ飲食店がないので、こちらのキッチンを利用させてもらう。
レセプションにいくつかカップ麺や缶詰、レトルト食品などを売ってるので、そこからカレーを購入(170円)。
ここジェイホッパーズさん、夜の時間は炊飯器にご飯が炊いてあってフリーで食べられる。レトルトをレンチンしてカレーライスとして食す。ゲストハウスのキッチンで料理するの(といっても温めただけだけど)久しぶりだな。
共用ルームは、欧米系ゲストさんで賑わっていた。翌日の計画を立てたり、カードゲームをしたり。別々のゲストさん同士 会話していたりしてて、それを聞き耳を立てていたが、やはりこういう第三者の会話って、自分が英語力ないせいかさっぱりわからないな。
ここジェイホッパーズ熊野湯峰温泉さん、熊野古道ガチ勢ゲストが多いせいか、21時には共用ルームからいなくなっていたし、ドミトリーも無茶苦茶静かだった。皆、トレッキングに疲れているか、明日に備えるためだろう。
自分は、一昨日と昨日くらいに熊野古道について色々調べたけど、いまいち全体像がみえず、どうやってトレッキングを進めていいかとか、あとバスの本数が少ないので、いくつかスタッフさんに相談した(カレー食べる前)。
ドミトリに戻った後は、登山系を職業にしている友人にLINEで相談。色々相談した結果、明日は、ここ湯の峰温泉からトレッキングを開始し、赤木越えルート、発心門王子経由、熊野本宮へ行くことに決める。
23時頃、就寝。
■2020年2月27日(2日目)熊野古道を歩く(湯の峰温泉→赤木越え→発心門王子→熊野本宮→仙人風呂)→那智勝浦
5:30ころ目が覚める。一人がガサゴソしてる。
6:00布団から出る。元々 風呂に入るつもりはなかったが、ここの露天風呂覗いたら これは入っておかないと損だと思い。露天風呂を素早く入る。最高です。
ここは朝食サービスとして、キッチンにある炊飯ジャーの中に お粥が作ってありフリー。
醤油を垂らして食べる。
ドミトリに戻ると、同室のゲストが確か四人はいたはずだが、全員チェックアウトしている、早すぎだろ。荷物を荷物室に預ける。
7:10宿出発。玄関の脇にあるボックスにカギを置く。もうすでに6個くらい鍵があった。
※熊野古道のリポートは別のブログで紹介する予定(多分)ですのでここでは簡潔に記述しますね。
熊野古道の赤木越えの登り口は、ジェイホッパーズさんを出てすぐの橋を渡った車道の目の前。
7:15 熊野古道トレッキング開始。
登り始めてしばらくは急な登りで 一瞬だけ後悔するが、数分後 歩きやすい道に。
すぐに汗ばんできた。
7:25 ウインドブレーカーとシャツを脱ぎ長袖のヒートテックだけとなる。
7:53日陰になると寒い、風が冷たい。ウインドブレーカー着る。
ところどころ標識があり分かりやすい。
道中、まったく人に会わない。
9:20綺麗な建物が見えた。ここでトイレ。
ここ「赤木越え分岐」と呼ばれるところが工事中でう回路を廻らなければならない。かなり前の台風の影響のようだ。
参考にしていたサイトに書かれていた予定時間を大幅にオーバーしてしまうことになる。
歩けど歩けども次の目標地点の発心門王子になかなかつかない。
10:22「発心門王子」到着。
ここでようやく人に会う、少し先の発心門王子のバス停から歩いてきた人のようだ。
(出発から三時間誰にも会わなかった)
ベンチがあったので昨日買っておいたメロンパンを食べる。結構前からお腹空いてたけど、ここが区切りなので、ずっと到着まで我慢してた。もう一つくらいパンを買っておくべきだった…足りないなぁ。
ここからネットの参考だと、2時間で熊野本宮大社に行けるハズ。
12:40発で湯の峰温泉に向かうバスがありそれにはギリギリ間に合うが、その代わり熊野本宮大社や大斎原の鳥居が見れない。急いで歩いて間に合わせるのは楽しくないので諦めるか…とここで決断。気持ちに余裕が出る。
牧歌的な田舎町という感じのところを歩く。
ここからちょいちょい人を見るようになる。
途中「ちょっと寄り道」とイラストの看板。展望台があるらしい。
「ちょっと」って?ドラゴンボールで亀仙人がそれを言った以来信じてない。
展望台。大斎原の鳥居が見える。
5分ほど休憩 12:33再出発。
13:00 熊野本宮についに到着。
いちおうここでゴール。
熊野古道…湯の峰温泉→赤木越え(迂回ルート込み)→発心門王子→熊野本宮大社のトレッキング終了。7:15にスタートしたので5時間45分かかったことになる。
少し警戒していたアップダウンは最初だけでほぼフラット。気持ちのいいトレッキングでした。
本殿は写真撮影NGのようなのでナシ。
新型コロナウィルス流行鎮静祈願をする。
ここで、商売繁盛のお札を購入。
13:20 お腹ペコペコなので、大社を出たところの右手の綺麗な建物にある「茶房珍重庵」に入る。やまかけ蕎麦と 名物のめはり寿司(1150円)。
無茶苦茶お腹空いてたので むさぼるように食べた。
13:50店を出る。
食べ終わり、大通りを渡り、看板どおりに進む。
13:55 大斎原と呼ばれる日本一大きな鳥居へ。
近所のおじさんが、ここから写真を撮れとか色々アドバイスしてくる(^^;
この後、熊野本宮大社のバス停に行き、路線バスの時刻表とその後の予定を色々考える。
湯の峰温泉より先(新宮方面) にある川湯温泉と呼ばれるエリアに「仙人風呂」という無料の温泉がある。そこは川の橋に一区画掘って作ってあり、冬季の間だけの限定の温泉らしい。あと大雨で流されたらそこで使えなくなるとのこと。今年は二月末までのようだ。
今日は2/27、こんなチャンスはなかなかないし、水着着用とはいえ混浴の露天風呂、ネタ的にもオイシイから是非行きたい(昨日この温泉の存在を知った)。
今晩は那智勝浦まで行く予定をしている。時刻表とにらめっこ、帰りのバスの時間が結構先だが、最悪、仙人風呂入った後は徒歩で湯の峰温泉に戻ればいい(グーグルマップでしらべると徒歩48分)し、ひょっとしたらヒッチハイクも可能かもしれない…。
ということで、ちょうど結論が出た頃14:23の新宮行のバスに乗る。
「湯の峰温泉」をスルーして、「川湯温泉」に14:44に到着。
バスを降りて、道の反対側の帰り(湯の峰温泉方向)の時刻表を確認すると15:16のバスがあるのを発見、この路線 ネットで見つからなかった…。ヨシ30分ほど時間があればなんとかなる。
一つバス停を早く降りたようだ、2分ほど離れた場所にもう一つバス停があり、そこから近くに見える川沿いに「仙人風呂」と書かれたエリアがある。
すでに若い男子学生二人とおじさん一人が入っていた。
ちょうど年配夫婦が入ろうとしているところだった。
この温泉のことを昨晩知って、熊野古道やバスのタイムテーブルが不安だったが、ちゃんと来れた時のことを考えてカバンの中に 未使用のパンツをいれていた。黒くて海パンに見えなくないルックスのやつ。
道路からは露骨にみえないように御座のようなもので壁が作ってある。そこでタオルを巻いて素早く着替え(着替え室は少し離れた駐車場にあるらしいがそこまでいってる時間がないので)。
手前はそれほど熱くない。肩までつかる。かなり広いので歩いて別の場所に移動すると無茶苦茶熱いところがある。若い学生二人と少し会話。欧米系の男性二人が来た。
15:10 温泉から出て、再びタオルを巻いて素早くパンツをはいて、着替える。
さらに別の欧米系カップルと、若い女性が来た。人気あるな。
15:15バス停で待つ。二分ほど遅れてバスが来た。
15:26 「湯の峰温泉」で降りる。
バス停のそばにあるお店(コンビニ的なところ)で 温泉タマゴ用にネットに入った玉子が売っているので3個120円で購入。
川へ降りていき、温泉タマゴ作り装置(?)のところへ。
ここの木の枠の下の部分にいくつか釘が打ってあり、このネットを引っ掛けれるようになっている。店の黒板には「半熟11分、固ゆで13分」となっていたので12分のタイマーをかけた。
できた温泉卵をもってジェイホッパーズへ。
「新宮」行のバスの出発まで時間があるので共用ルームで休憩させてもらう。
温泉タマゴは付属の塩で二つ食べた。あぁ幸せ。
一時間ほどゆっくりできた。
スタッフさんに挨拶して17:00ジェイホッパーズを出る。
17:09 「新宮」行のバスに乗る。バス乗った時点で、紀伊勝浦駅のそばの「Why kumano」というゲストハウスを予約する。
うむ、熊野古道、う回路で少し時間をオーバーしたが、天気も良く気持ちよく歩けたし、行けるか不安だった仙人風呂にも入れた。宿で充分な休憩もできたし、少ないバスの本数の中、ここまでうまく行けるとは…!
18:21「新宮」に到着(バス1570円)。約一時間のバス旅だった。
どこか適当な飲食店があればよかったのだが、クローズしていたり。飲み屋に入るほどの時間はない。駅のそばのローソンで、お茶とサラダチキンとプロテイン飲料を購入。テーブルがあるお店だったのでそこでプロテイン飲料を飲み休憩。駅へ。
19:02「新宮」駅発(240円)。車内はガラガラ。
19:32「紀伊勝浦」駅着。
今日泊まる宿「Why kumano」、駅の目の前、徒歩10秒。
二階に上がる。感じのいい若めの男性オーナーさん。こちらの気持ちをほぐすようなトークが上手い。宿泊代3000円(paypay支払い)。
三階の部屋に案内される。今日は自分以外は若い四人組のグループみたいだ。
二階のフロントに戻り、自分が京都のゲストハウスオーナーだと告げる。少し会話が盛り上がったころ、四人組がチェックイン。
(※この「Why kumano」の宿泊リポートは別記事にまとめてあるのでどうぞ)
お腹が空いているのでオーナーさんおすすめのお店へ。徒歩4分ほどのところの店にいこうとしたが、先ほどトークが弾んで時間が遅くなったこともありもう閉店していた。閉店時間より40分も前だったのだが、もう店主が新聞読んでいた…。
旅先ではゲストハウススタッフさんのおすすめの店に行くのが一種のポリシーなのだ。
良さそうな洋食レストランはあるが何かピンとこない…、仕方がないので、宿に電話をしてもう一つの候補を提案してもらう。宿の真裏にある中華屋さん「璃王RIO」のチャー玉丼が旨いとのことで訪問。
いいなぁこういう感じの店内。近くの工場で働いているような兄ちゃんやベトナムっぽい顔の外国人労働者でほぼ席は埋まっていた。漫画のラインナップもいい。
チャー玉丼700円。
旨し!会計の時にええ感じのおばあちゃんが出てきて和む。
宿に帰るとオーナーさんが待っていてくれた。当初チェックインの時に 夜は早めに自宅に帰ると言っていたので会話できないと思っていたのだが、ありがたい。
結構長いことゲストハウストーク。
途中、学生四人組が夕食から帰ってきた。一度ドミに行ったが、私が寝る準備をしていたので気を使って二階に行ったようだ。もし僕が泊まらなければドミ独占で自由にはしゃげたのに…、悪いことしたかな。
就寝。
※次の旅の後編の日記はコチラ
■あわせて読む。
→熊野三山・伊勢神宮コロナウィルス流行鎮静祈願と宿応援の三泊四日の旅(後編)
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住所: 京都市中京区姉小路通小川東入宮木町472-1
オープン: 8:00-11:00,16:00-21:00